SHIENA WORLD

COLUMN
脂質ホテル

第4章② 双子

18.04.24脂質ホテル

双子

「では、面白いものをお見せしましょう」
オーナーはそう言うと、
昨日のガソリンスタンドへ入っていった。
奥から昨日と同じ男が出てきた。

「ハイオクを満タンで」
「まいど!
窓ガラスふきますか?」

するとオーナーは
助手席のわたしに言った。
「彼の目をよ~く見てください」
「目ですか?」
言われたとおり、
フロントガラスを拭く彼の目を
よ~く見てみた。

「何か思い出しませんか?」
「あっつ、ホテルにいたヒロキと同じ目だ」

「そうです、二人は一卵性双生児で、
彼はツトムと言います」
「えっつ、双子?」

「二人の体形はまるで違いますが、
一卵性は遺伝子も同じです」

まったく気に留めてなかったけれど、
言われてみれば確かに似ている、
ツトムは太っているけどヒロキと同じ顔だ。
ふたりとも同じグリーンの目をしている。

「ふたりを見ればわかるように、
太るかどうかは遺伝ではありません。
体形はその人の選択する食品で変わるのです」
「なるほど、
体形は遺伝ではないという事ですか・・・、

目の色は親譲り、
でも体形は遺伝ではない、という事ですよね」
「はい、目の色や人種の特徴など、
遺伝は実際存在します。
ただし、遺伝というのは
「可能性の種」のようなもので、
芽が出るかどうか、病気も才能も、
その後の情報次第です。

二人は病気になる可能性をもっていた。
でも、ヒロキは健康で、ツトムは糖尿病です。
二人の違いは、取り入れてきた情報、
つまり選んできた食品のちがいです」

 

寄りみち