SHIENA WORLD

散歩シリーズ

ミッドタウン駐車場事件

18.08.22散歩シリーズ

ミッドタウン駐車場事件

それは、散歩を終えた、
夏のミッドタウンの駐車場だった。

事前清算を済ませたお母さんが、
兄弟二人に「早く行くよ!」と急きたてる。

お母さんには、
重要な予定があるのだろう。
でも子供たちには、
お母さんの事情なんて分からない。

 

お兄ちゃん(5歳ぐらい)は、
事情は分からないけれど、
運動神経だけで、
せっせとお母さんについて行く。

 

その後を、
弟(3歳ぐらい)も、ついて行こうとするが、
途中、ペットボトルを落としてしまい、
転がるペットボトルを拾ってる間に
遅れをとるが、必死に2人の後を追う。

 

しばらくすると、
車のところで待っていたお母さんに、
弟は怒られる。
「何グズグズしてんのよ!!」

弟が泣きわめく、
唸るように。

 

 

その涙には、
いろいろなものが入っている。

精一杯やっているけれど、
小さな手にはペットボトルが収まりきらず、
お兄ちゃんの様にお母さんについて行くには、
身体がまだ小さくて、
本人は精一杯頑張ってはいるけれど、
歩幅だってお兄ちゃんの2/3、
お母さんの1/3だ。

メソメソではなく、
唸るように泣く理由は、

以前なら、
ペットボトルが転がった時点で
甘えて泣いていたのに、

今日は、泣かずに頑張って、
転がるペットボトルを
しかと捕まえて、
距離を離されまいと、
前向きに必死だったのに、
大人の階段を一つ登ったのに。

3歳にとっては、
はじめての経験、
その勇気、決意、葛藤を、
お母さんは忙しくて見てくれない。

その経緯を、
2人に上手く説明することもできない。
3歳にはレベルが高すぎる。

なのに、
やっと追いついたら、
頭ごなしに怒られる。
「何グズグズしてんのよ!!」

だから、涙がどんどん体中から、
唸るように湧き出てくる。
「ぐうぇ・ぇ・ぇ~~~~ん」
ちがうんだよ~~~!!!

 

 

と言う衝撃の事件を目撃した私は、
まるで、自分の会社で日々起きている、
スタッフたちの光景だと思った。

寄りみち